賃貸マンションの間取りにはさまざまなタイプがありますが、中でも使い勝手の良いタイプが1LDKです。一人暮らしでも二人暮らしでも便利に使えるその理由と、注意すべきデメリットなどをまとめてみました。これから賃貸物件を探そうという方も、ぜひ参考にしていただければと思います。
1LDKのメリット
1LDKとは1つの部屋と8畳以上の広さがあるリビングダイニングキッチンがある間取りのことです。ちなみにLDKの広さは個室がひとつの場合で8畳以上、個室がふたつならば10畳以上となります。
1LDKの最大のメリットは、さまざまな世帯がいろんな住み方で暮らせることです。一人暮らしでも二人暮らしでも、あるいは子どもがいる家族でも住むことができます。ライフスタイルに合わせて、さらにインテリアを工夫することでいろんな住まい方を楽しめるでしょう。
また1LDKは間取りのパターンが豊富にあることもメリットといえます。リビングダイニングと個室が隣同士になっていたり、あるいは廊下を挟んで離れていたりと選ぶ楽しさもあります。自分のライフスタイルに合う間取りを選ぶことができるでしょう。
間取りは時代の移り変わりによって変化していますが、1LDKは比較的新しいスタイルの間取りといえます。同じ専有面積でも、2DKと比べるとおしゃれな作りとなるケースが多くなります。ゆとりがあるので、ウォークインクローゼットのように使い勝手の良い収納を備えている物件がある点もメリットといえるでしょう。
1LDKのデメリット
使い勝手の良さが魅力の1LDKですが、実は家賃が割高となるデメリットがあります。同じ専有面積であれば、1LDKよりも2DKの方が一般的に家賃は安く設定されています。
家賃に差が出る理由は、単純に1LDKの方が人気がある点が挙げられます。部屋数は少なくなりますが、広いリビングでの快適な暮らしができることは大きな魅力です。また2DKは築年数の古い物件が多いので、家賃もそれに応じて安くなる傾向があります。
また2DKに比べメインになる部屋が広いため光熱費が高くなる傾向にある点も、1LDKのデメリットといえるでしょう。リビングは広いので、室内全体を明るくするためにはシーリングライトも2つ必要になる場合があります。エアコンも広い部屋用のものが必要なので、電気代もかかります。
部屋数が少ないという点は、家族にとっては住みにくいというデメリットにつながります。同じ専有面積であれば2DKだと家族それぞれの個室も持てるようになります。しかし1LDKの場合には個室はひとつしかないので、子どもがいれば子ども部屋にするのか家族の寝室にするのか、どちらかを選ばなければなりません。
1LDKは一人暮らしには広すぎる?
1LDKはリビングダイニングが最低8畳ありますし、他に個室がひとつあります。その個室の広さが4.5畳なのか6畳なのかなどによって専有面積は変わります。だいたい、35㎡から広いところで45㎡くらいにはなるでしょう。これは一人暮らしには広すぎる広さとなるのでしょうか。
面積を考えると、一人暮らしには贅沢な広さかもしれません。しかしリビングダイニングのスペースと個室スペースで役割を変えることを考えると、決して広すぎるというわけではないでしょう。寝室にはベッドの他に仕事のためのデスクを置けば、それなりにスペースを使います。一方でリビングダイニングにソファとダイニングテーブルを置けば、それだけでかなりのスペースを使います。
食事をするスペースとくつろげるスペース、そして仕事と睡眠のスペースを確保するとなれば1LDKをフルに活用することになります。もちろん、食事も仕事もひとつのローテーブルで済ませることはできますし、ソファも不要という人もいるでしょう。その場合にはワンルームでも十分です。しかし生活スペースをしっかりと分けて暮らしたいという人にとっては、1LDKくらいの間取りは必要になるといえます。
1LDKは同棲には狭い?
1LDKは主な生活の場となるリビングダイニングと寝室の2つの空間というスタイルになります。二人暮らしとなる同棲の場合、その生活スタイルによっては狭さを感じるかもしれません。
たとえばお互いの荷物が多く、収納代わりにもうひと部屋欲しいという場合には、1LDKでは手狭に感じます。あるいはお互いがプライベートの空間を欲しいと思うような場合にも、1LDKでは生活しにくいと感じるかもしれません。
特に二人とも仕事をしていて、その時間帯にズレがあるような場合にはなおです。寝室となる個室が広ければよいのですが、狭いとお互いがゆっくり眠れなくなるかもしれません。あるいは家に仕事を持ち帰るような場合、同じリビングにいるとテレビの音などが気になるでしょう。仕事をせずゆっくりとくつろいでいたい人は、相手に気を遣うことになります。
また、二人暮らしとなれば時に喧嘩をすることもありますし、少し頭を冷やす意味で別々の生活空間が欲しいと思うこともあります。そのような場合、1LDKではストレスが溜まることにもなりかねません。
1LDKの種類
一口に1LDKといっても、その種類は実に豊富にあります。実際にどのような種類があるのかをご紹介します。
続き間タイプ
リビングダイニングともうひとつの部屋が続いているタイプの間取りです。
さらに個室がリビングダイニングの横に続くタイプと、縦に続くタイプとに分かれます。
ドアではなく引き戸で仕切られていれば、間仕切りを解放することで広い空間を作ることが可能です。横に続いているタイプは個室にも窓がありますが、縦に続くタイプは個室に窓がない場合があります。
独立型タイプ
リビングダイニングと個室が廊下を挟んでそれぞれ独立しているタイプです。個室は建物の廊下に面することになるので、北向きであることが多くなります。
個室がリビングダイニングと離れているので、二人暮らしの場合には便利な間取りです。プライベート空間を確保できるので、仕事の時間帯が異なる場合には相手に気を遣うことなく、ストレスフリーな暮らしができるでしょう。
メゾネットタイプ
あまり見ないタイプですが、個室やバスルームなどが集まるフロアとリビングダイニングキッチンのフロアが上下に分かれた間取りになります。集合住宅でありながら戸建て感覚で住めることが特徴です。上階の音が気になるという人にもおすすめのタイプとなります。
1LDKはどんな暮らし方
1LDKはリビングダイニングキッチンと個室という、ふたつの空間に分けることができます。そこでふたつの雰囲気に分けた生活空間を楽しむことができるでしょう。寝室となる寝室は落ち着いた雰囲気に、リビングは明るく楽しめる空間にすることも可能です。
一人暮らしであれば贅沢な空間を楽しむことができますし、二人暮らしの場合には最低限の広さを確保して家賃を安く抑えることができます。
二人暮らしの場合は、個室を寝室にしてリビングダイニングを主な生活の場にします。また同棲から結婚して子どもが生まれるまでは、同じ1LDKで生活を続けることができます。あるいは子どもが小さいうちも、そのまま暮らすことは可能でしょう。
ただし二人暮らしの場合はプライベートな空間を確保しにくいので、工夫も必要になります。お互いにストレスを抱えないように、生活のルールなどを決めておくとよいでしょう。
一人暮らしの場合には、個室は寝室としてのみ使うことが多いので贅沢な暮らしかもしれません。しかし広いリビングダイニングでの暮らしはゆとりも生まれますし、日ごろの疲れを癒すのに申し分ありません。また荷物が多い人にとっては、収納が少ないマンションの中で住みやすい間取りといえます。
まとめ
1LDKは一人暮らしでも二人暮らしでも、いろんなスタイルの生活ができる便利な間取りであるといえます。空間にゆとりがあるのでインテリアに凝ることもできますし、一人暮らしから結婚して子どもが生まれるまで、同じ部屋に住み続けることができるので生活拠点を変えずに済むメリットもあります。