今回は今注目の「グランドメゾン御園座タワー」をレポートします。この10年、名古屋市内の人口増加率でトップとなるのが、オフィス街である伏見を含む中区です。「伏見地区まちづくりビジョン」が策定されたことで、明確な開発ビジョンが定まり多くのマンションが建設されるようになったのも理由です。そしてその伏見駅から歩いて1分、ついにランドマークタワーとも呼べる複合マンションが完成しました。「御園座」や「御園小町」などの施設に加え、棟内の様々な共用施設など見るべきポイントが数多くあるので、最後までご覧いただければと思います。
「グランドメゾン御園座タワー」の魅力とは?
グランドメゾン御園座タワーは御園座を建て替える形で誕生した複合タワーです。新劇場部分の外観は「なまこ壁」の格子模様となっていて、風格のようなものを感じます。これが他のマンションと存在感を画しているように感じますね。御園座のエントランスは朱色を基調としたデザインで、日本の伝統文化を象徴するような雰囲気を感じます。このような外観が、このマンションの魅力のひとつだと思います。住む人の満足度を高めてくれるのではないでしょうか。ちなみにこの建物の設計を監修したのは、新国立競技場の設計も行った有名な隈研吾氏です。和モダンなデザインが秀逸と言えます。
ところでこの「グランドメゾン御園座タワー」、公式サイトはすでにありません。そのため、その全容について分からないという方も多いのではないかと思います。そこで細かく、このマンションの魅力をご紹介します。
通常のマンションには見られない文化的な雰囲気
グランドメゾン御園座タワーの2階から4階は劇場「御園座」が入っています。客席は1,302席、歌舞伎やミュージカルなどが上演されます。マンションとこのような文化施設が共存するのは非常に珍しいと言えるでしょう。
マンションのエントランスは南側に劇場のエントランスに隣接する形となっています。外観の一部にはストライプ状の黄金色のカーテンウォールが設置されているので、ゴージャスな感じです。けれども「なまこ壁」との組み合わせは歌舞伎などの伝統文化を感じさせるので、嫌味な感じではありません。
1階には劇場を楽しむ人に向けた食のテーマパークとも言える「御園小町」があります。おみやげコーナーやテイクアウト、そしてイートインもあります。観劇の際の食事はもちろんのこと、まわりのオフィスで働く人もランチで食べられるようなお弁当が用意されています。観劇に便利なひざ乗せ幕の内や名古屋の老舗弁当などが揃っています。イートインではモーニングやランチ、カフェにグリルと時間帯によって色んなメニューが楽しめるようになっています。もちろんマンションに住む人も利用できるので、お友達が訪ねてきた時などに利用すると便利ですね。2階には演劇図書館もあります。
タワーマンションとしてのスケールメリットも十分
まず総戸数は304戸、広さは60㎡から200㎡以上とバリエーションに富んでいます。ファミリーはもちろんのこと、単身者の方も住めるのは嬉しいですね。ちなみに30階以上の高層階が100㎡以上、39階と最上階の40階に200㎡超えの部屋が用意されています。間取りは2LDKから4LDKです。マンションの間取りにはそれぞれの特徴が色濃く表れますが、このグランドメゾン御園座タワーの場合、内廊下に面した部屋が少ないことが分かります。どの間取りも、各部屋がバルコニーに面しているので非常に明るく感じるでしょう。タワーマンションの利点は、北向きでも明るいことです。むしろ日中の見晴らしは北向きの方が良いくらいではないかと思います。その点、このグランドメゾン御園座タワーは北向きタイプの住戸も各部屋が明るく住みやすいのではないでしょうか。
モデルルームでは70㎡タイプのお部屋を見ることができましたが、洋室同士が引き戸でつながっているので高齢者にも住みやすいように感じます。室内のインテリアは意外とシンプルな感じです。不必要にゴージャス感を出すことなく、上品にまとまっているように思います。タワーマンションというと身構えてしまう人もいるかと思いますが、室内は自己主張することがないので自由に家具などを選び、レイアウトできるでしょう。
マンションの外観について説明します。一般的なタワーマンションと「グランドメゾン御園座タワー」とでは、大きく異なる部分があることに気づきます。実は各階の周囲に庇が出ているんですね。外観の角は単なる全面ガラス張りではありません。そのために直射日光を受けて冷暖房効率が下がることを抑えて、環境負荷を減らすように設計されています。ただし、最上階から下の4フロアは角に庇がありません。ここは網入りの防火ガラスになっているようです。
建物周囲には街路樹も植えられていますが、南側には同じく隈研吾氏設計監修による碧海信用金庫御園支店が建設されています。実はこの周辺一帯が和風モダン化されるので、マンションだけが孤立することがありません。周囲と一体となっているので浮いた存在にはならないのは、住む人にとっても嬉しいのではないかと思います。これが他のタワーマンションとの大きな違いであるような気がします。
眺望はどのような感じ?
タワーマンションの魅力といえば眺望ですが、このグランドメゾン御園座タワーの場合はどうでしょうか。まず周りには同程度の高層建物がないので、少なくとも現状では満足できるのではないかと思います。名駅方面はヒルトンやマリオットといったホテルがありますが、夜景は綺麗でしょう。南方面は高い建物がないので見晴らしも良さそうです。北側も山脈が見れるので雰囲気は良いかもしれません。太陽に照らされた景色が綺麗に見れそうです。
御園座に相応しい上品な共用部
グランドメゾン御園座タワーのロビー・ラウンジは6階にあります。ここにはコンシェルジュカウンターがあるので、ホテルのようなフロントサービスを提供しています。7階には和洋2つのタイプのゲストルームがあるので、来客時に利用できます。そして22階には眺望も楽しめるスカイスイートが用意され、パーティなどが楽しめます。ゆったりと座れるソファやダイニングセットなど、上質な家具が揃えられています。
タワーマンションは通常、内廊下のみになっています。まるでホテルのような空間が演出されるわけですが、グランドメゾン御園座タワーには外の景色が楽しめるプロムナードもあります。シンプルながらに上質な空間となり、住む人の満足感を満たしてくれそうです。
生活環境も整う伏見周辺
伏見はもともとオフィス街ですが、マンションの建設が増えたことで生活環境も整ってきています。駅から歩いて5分にはスーパーマーケットやカフェなどが入る商業施設があります。またオフィス街とあって医院や飲食店も元から多いので便利です。そしてグランドメゾン御園座タワーの周辺は和のイメージで整備されています。単に便利というだけではなく、住むことに楽しさとゆとりを感じさせてくれる環境ではないかと思います。
グランドメゾン御園座タワーの概要
最寄り駅 | 地下鉄東山線「伏見」駅徒歩1分 |
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所在地 | 名古屋市中区栄1-6-15 |
竣工 | 2017年12月 |
構造 | RC造40階 |
敷地面積 | 4,831.90㎡ |
建物面積 | 3,641.04㎡ |
延床面積 | 56,128.96㎡ |
売主 | 積水ハウス |
施工 | 鹿島建設 |
共益費(賃貸) | 0円 – 30,000円 |
「グランドメゾン御園座タワー」を現地レポート!まとめ
グランドメゾン御園座タワーは再開発が進む伏見エリアの特徴を体現したような建物のように感じます。住まいと文化の融合と言いますか、住まうことにゆとりが持てるような建物のように思えます。タワーマンションとして設備ももちろん充実していますが、それらは決して特別なものではなく、日常生活の一部として背伸びせず便利に利用できるものといった感じがします。